蘭学階梯(らんがくかいてい)
大槻玄沢(おおつきげんたく)が著した蘭学入門書。2巻。1788年(天明8)刊。上巻には朽木昌綱・萩野信敏の序文があり,総説・通商・裨益・精詳・慕効・興学・立成・禦侮・勧戒の章からなる。日蘭交渉,渡来物産,諸科学,蘭学の首唱,前野良沢の蘭学研究の苦心や蘭学のすすめなどを説く。下巻は文字・数量・配韻・比音・訓詁・転釈・修学・訳辞・訳章・釈義・類語・成語付訓点並ニ訳文・助語・点例・書籍・学訓の章からなる。オランダ語学習法,訳文作成までの方法,単語・文例の説明,助語や句切り符号の説明,舶来書籍名,蘭学学習一般に関する注意などを説く。巻末に宇田川玄随(げんずい)・桂川甫周(ほしゅう)の跋文を付す。まとまった最初の蘭学入門書として大きな影響を及ぼした。「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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