本来は犯人告発のための匿名の投書をさしたが,一般的には社会や権力者などを批判・諷刺した匿名の文章や詩歌をいう。とくに和歌の形式のものを落首(らくしゅ)というが,中世には区別せずすべて落書とよばれたようである。「建武年間記」に載る「二条河原落書」が著名。これは後醍醐天皇と建武新政府を非難した内容で「此比(このごろ)都ニハヤル物,夜討強盗謀綸旨(にせりんじ)」と始まり,七五調の物尽しの形式になっている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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