落語(らくご)
大衆芸能の一つ。滑稽譚の結末に「オチ」をつける話芸。元禄期前後上方に発生。京都の露の五郎兵衛が「軽口噺(かるくちばなし)」を辻咄(つじばなし)としたのがはじめ。ほぼ同時期に江戸では鹿野武左衛門,大坂では米沢彦八が辻咄を演じ,落語の基礎をつくった。江戸では武左衛門の後継者がないため一時衰微したが,大坂の咄の会に刺激をうけて復興。その推進力は,烏亭焉馬(うていえんば),2代石井宗叔(そうしゅく)ら。彼らが咄の会を開いて以降,江戸の文人・通人の間で自作自演の会が流行した。こうした流れのなかから初代三笑亭可楽ら職業落語家が出現。大坂では初代桂文治が坐摩(ざま)神社内で口演した頃に寄席がおこり,今日の興行形態が整う。以来芝居噺・音曲噺などをうみ,大衆娯楽の代表となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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