連歌(れんが)
聯歌とも。和歌から派生した文芸用式。筑波の道(つくばのみち)は雅称。和歌の上句(長句)と下句(短句)をそれぞれ別の人が詠み,唱和させたもの。長句と短句を1句ずつつなげたものを単連歌といい,それより長いものを鎖連歌という。連衆(れんじゅ)とよばれる複数の人々で100句詠み続ける百韻の形式が一般的。その他,百韻を10種続けて千句にし,千句を10種続けて万句としたり,五十韻・世吉(よよし)(44句)・歌仙(36句)などの形式がある。最初の1句を発句(ほっく),第2句を脇(わき)句,以下第3,第4と続き,最後の1句を挙(あげ)句という。また百韻は4枚の懐紙に執筆(しゅひつ)の手で記録される。「日本書紀」にある日本武尊(やまとたけるのみこと)と秉燭人(ひともし)の片歌問答が連歌の始まりとされ,平安時代まではおもに単連歌が和歌の余技に行われたが,鎌倉時代になると鎖連歌が流行し,賭物などをして優劣を競いあうようになる。その頃から式目(法式)が整い始め,連歌師とよばれるプロの指導者も現れた。江戸時代に入ると俳諧の連歌が流行し,正式な連歌は衰退していく。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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