1. 用語
  2. 日本史 -れ-
  3. 歴史物語(れきしものがたり)

歴史物語(れきしものがたり)

平安末期から書かれた漢字仮名交りの物語的な歴史記述。物語風史書ともいう。この名称は昭和期に芳賀矢一により使われはじめるが,それ以前は世継(よつぎ)などといわれた。藤原道長の栄華を編年体で記した「栄花物語」がそのはじめとされる。その後,鏡物とよばれる「大鏡」「今鏡」「水鏡」「増鏡」と歴史物語が多く残された。それまでの歴史書が漢文体で史実のみを記したのに対し,仮名によっていきいきとした描写が可能になり,歴史上の人物の内面まで描かれるようになった。史実に忠実に語られていて,軍記物語やある特定の主張が強く説かれている史論書などとは別に扱うのが一般的。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう