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林家(りんけ)

「はやしけ」とも。江戸幕府の儒官として文書行政や教育をつかさどった家。初代羅山(らざん)は徳川家康以下,秀忠・家光・家綱と4代の将軍に仕えて朱子学を講じ,将軍や幕閣からの諮問に答え,武家諸法度,朝鮮使節への国書起草などを行い,弟永喜とともにその地位を高めた。1630年(寛永7)上野忍岡(しのぶがおか)の地に学寮を建設し,幕府学政への参与の道を開き,学者を養成した。2代鵞峰(がほう)・3代鳳岡(ほうこう)によって幕府内での地位が確立。林家の私塾は寛政期に官学昌平黌(しょうへいこう)へと発展した。鳳岡のときに大学頭の官号を得,儒者の剃髪・僧形も終焉させた。その後,代々の林家当主は幕府の諮問をうけ,幕臣の教育にも参与。また諸種の編纂事業も主導した。門弟を多く輩出したが,学問的な発展はみられない。家禄は徐々に加増され,述斎のとき3000石余を給された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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