藤原佐理(すけまさ)が991年(正暦2)5月19日付で,任地の大宰府に赴く途中,長門国赤間関の泊から都の春宮権大夫藤原誠信にあてた消息。内容は,下向に際し,摂政藤原道隆に赴任の挨拶を怠った失礼に対し,とりなしを依頼するもの。自由奔放に草書で書かれ,強く鋭い筆勢と墨色の絶妙な変化は,佐理の消息5通のなかで最もすぐれた書といわれる。畠山記念館蔵。縦30.8cm,横62.4cm。国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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