主として江戸前・中期に使用された揚水機。灌漑や鉱山の排水に用いられた。傾斜した箱状の樋(とい)の中に30枚ほどの水掻き板をとりつけ,箱の上部についている輪軸を2人の足で回転させることによって上方に送り,水を汲みあげる。中世に中国から伝来し,江戸前期に畿内を中心に普及したが,構造が複雑で壊れやすかったため,寛文年間に発明された踏車(ふみぐるま)が宝暦~安永頃を境に使用されると,しだいにすたれていった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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