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律令国家(りつりょうこっか)

7世紀後半から9世紀頃までの古代国家。基本法典の律令の名をとった呼称。天皇を中心とした体系的な中央集権的国家機構で,中央に都城が営まれ,議政官を核とした太政官を頂点に二官八省の官僚機構を設け,地方は国郡里(郷)の行政組織に編成。国司には中央官人が任命され,地方豪族を郡司以下に組織した。戸籍計帳を作って班田収授を行い,租庸調や雑徭(ぞうよう)を徴収して全国の民衆を支配した。良民と賤民とに身分が区別され,支配者層はさらに位階により区分された。とくに五位以上はさまざまな特権をもち,畿内の有力氏族出身者が独占した。律令国家は,10世紀頃に班田収授の法などの破綻により崩壊したと一般には考えられるが,大王のもとに畿内豪族が結集して畿外を支配するという大和王権のあり方をうけついでおり,10世紀はそうした古い枠組が崩壊しただけで,中国的な律令の理念はその後の国家のなかで展開したと考えることもできる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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