リットン報告書(リットンほうこくしょ)
満州事変に際し,国際連盟理事会決議にもとづいて派遣された現地調査委員会(リットン調査団)の報告書。上海・北平(ペイピン)(北京)・満州の実地調査と要人との会見をもとに厖大な報告書を作成,1932年(昭和7)10月2日に公表。穏やかな表現ながら柳条湖事件以来の日本軍の行動を自衛行動とは認めず,満州国建国を自発的な自治運動の結果とも認めなかった。また満州に中国主権下の地方自治政府を設け,日本の主導のもとに列国の国際管理下におくことを提案していた。報告書の勧告は国際連盟での審議の基礎となるものであったが,すでに満州国を承認していた日本はこれに反発し,連盟脱退への道を歩むことになる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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