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里長(りちょう)

「さとおさ」とも。律令制下,地方行政組織の末端にあった50戸からなる里の長。その里の白丁(はくてい)で清正強幹の者から選ばれ,徭役(ようえき)が免除された。令の規定では里内の戸口の把握,農業の奨励,治安維持,徴税などを職掌とし,租税免除などを命じた詔勅を里内の民に周知するよう定められた。「貧窮問答歌」に描かれた苛酷な徴税吏が知られるが,実態は郡司のもとで雑務に従う者で,範とした唐の里正にくらべて職権は低かった。静岡県伊場遺跡出土の木簡にみえる「五十戸造」は,7世紀後半の里長の前身である可能性があり,717年(養老元)の郷里制施行以後は郷長(ごうちょう)となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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