流(る)

流罪・流刑とも。律の五罪の一つ。死についで重いもの。この刑に処せられることを配流という。本籍地からの強制移住と現地での1年間の労役をくみあわせた刑罰で,近流(ごんる)・中流・遠流(おんる)の3等がある。「隋書」倭国伝には「流」が,また「日本書紀」天武5年(676)8月条にはすでに「三流」の別もみえるが,記紀などによれば,古来犯罪人を辺境の地または島に追放する(はふる)という刑罰が行われており,日本律の流罪は,この固有法のうえに唐律の流刑の規定を継受して成立した。中世の武家法にも継承され,鎌倉時代には遠流1種となり,夷島(蝦夷が島)・伊豆大島・陸奥などへ流し,その地の御家人に監視させた。江戸時代には「公事方(くじかた)御定書」に遠島といい,伊豆七島・薩摩・五島の島々などに流していた。流罪の刑に処せられた人を流人といい,流人と配流場所を記したものを流帳といった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう