山王神道(さんのうしんとう)
山王一実(いちじつ)神道・天台神道・日吉(ひえ)神道とも。天台教学にもとづいて神仏習合を説いた神道。山の字が竪(じゅ)3本・横(おう)1本,王の字が竪1本・横3本であることから,天台の「三諦即一」の教えを表すとしてこの名がつけられた。三諦を神祇が統一し,地主神により天台教義との習合がはたされると説いて,日吉大社がその中核とされ,さらに山王二十一社が設定された。近世には行丸が記した「日吉社神道秘密記」を神道の基本においた。天海はこの教えが幕府鎮護に結びつくと主張,東叡山寛永寺や日枝神社を建立し,山王神道の儀により徳川家康の遺骸を改葬するなど,幕府からの加護をうけた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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