山王信仰(さんのうしんこう)
滋賀県大津市坂本に鎮座する日吉大社を中心とする諸神信仰。最澄が中国天台山国清寺の山王祠にならって比叡山の地主神・守護神として祭ったのがおこりという。山王権現とか日吉権現とよばれ,比叡の山岳信仰と重層している。平安時代には比叡山の僧たちが神輿や託宣を奉じて強訴(ごうそ)を行った。摂社・末社として多くの神が勧請され,山王七社,山王二十一社と総称された。鎌倉時代の「山王霊験記」は山王神の由来を説く絵巻物として有名。中世には山王一実神道(いちじつしんとう)という神道も派生した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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