三蹟(さんせき)
平安中期,能書として尊重された小野道風(みちかぜ)・藤原佐理(すけまさ)・藤原行成(ゆきなり)の3人。唐風文化が隆盛であった平安初期の三筆(さんぴつ)の書が中国書法を基盤としたのに対し,三蹟の書は,国風文化がおこるなかで王羲之(おうぎし)の書法を消化して和様の書を完成させた。三蹟の名は,それぞれの筆跡を野蹟(やせき)・佐蹟(させき)・権蹟(ごんせき)(権大納言行成)とよぶことからの命名。三蹟の呼称を明記した最初の文献は,貝原益軒の「和漢名数」(1689刊)といわれる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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