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三世一身の法(さんぜいっしんのほう)

723年(養老7)4月17日に発布された,開墾奨励のための法令。それまでの律令法では,墾田についての規定や開墾者の権利があいまいであったため,国郡司はしばしば墾田を収公し,既墾地拡大の障害となっていた。そこで既存の溝池を利用して開墾した場合には本人死亡まで,新たに溝池を開発して開墾した場合には3世(子から曾孫とする説が有力)までの私的占有を認めた。これによって田租を確保するとともに,一定期間後の公地化を図った。しかし20年ほど経過して最初の「一身」の収公期限の前後になると,墾田の荒廃がめだつようになったため,743年(天平15)墾田永年私財法がだされた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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