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さんせう太夫(さんしょうだゆう)

「山椒太夫」「山荘太夫」とも。説経節の一つ。岩城判官(いわきはんがん)正氏は無実の罪で筑紫に流され,その妻と子の安寿と厨子王は,赦免を乞いに京をめざす。その途中,越後で人買いにだまされ,丹後由良の長者山椒太夫に売られ酷使される。姉弟は脱出をはかるが露見,弟だけがのがれ,姉は死ぬ。厨子王はお守りの金焼(かなやぎ)地蔵の霊験で危機を脱し,摂津国天王寺の童子をへて,梅津院の養子になる。帝に謁見できた厨子王は事情をあかし,父の所領を回復。丹後国も賜り,太夫らに復讐する。その後,盲目となっていた母を捜しだし,金焼地蔵でなでると開眼したので,丹後に地蔵を本尊として寺を建立。森鴎外「山椒太夫」で著名になった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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