山家学生式(さんげがくしょうしき)
天台宗僧養成の課程を定めて勅許を請うたもの。1巻。最澄(さいちょう)著。818年(弘仁9)5月奏上の「天台法華宗年分学生式(六条式)」,同年8月奏上の「勧奨天台宗年分学生式(八条式)」,翌年3月奏上の「天台法華宗年分度者回小向大式(四条式)」の3首からなる。「六条式」は天台宗僧を大乗菩薩僧として養成するための天台宗独自の大乗戒受戒,比叡籠山,毎日の行業,課程修了後の任用などの法式を提示し,「八条式」はその細則。「四条式」は問題を受戒にしぼって大乗戒受戒という独自の法式を前面にだし,その論拠を提示したもの。本式の提唱は南都の猛反対にあい,最澄は改めて「顕戒論(けんかいろん)」を奏上し,勅許を求めたが生前は許されず,822年,最澄没後の7日目に認可された。「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう