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産業革命(さんぎょうかくめい)

機械の発明と応用を起点に,大衆消費財生産部門の機械制工場生産化が中軸となって,資本・賃労働関係が全経済の基軸をなすに至る過程。まずイギリスで綿紡績業を中軸に1760~1830年代に産業革命が進展し,欧米諸国もこれに対抗して産業革命を推し進めた。日本では,幕藩体制下での小商品生産の一定の成熟,開港後の貿易にともなう商品経済の再編,政府による原始的蓄積政策の推進を前提に,1886年(明治19)以降の企業勃興により開始された。輸入紡績機による1万錘規模の綿紡績会社が続出し,輸入綿花を用い,低賃金の若年女子を昼夜2交替制でフルに利用することで,手紡糸やインド綿糸を駆逐し,97年には中国を中心とする綿糸輸出が輸入を上回った。1900年の日清戦後第2次恐慌は,綿紡績業の拡大がひきおこし,大部分の産業部門に波及した最初の本格的資本主義恐慌であった。ただし先進資本主義国の外圧のなかで進展したために,各産業部門間の関連は分断的であり,諸部門の生産形態は重層的であった。なお,生産手段・消費資料の両生産部門の「2部門定置」という観点から,産業革命の終期を日露戦後の07年頃におく説も有力である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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