散楽(さんがく)
大陸から伝えられた雑芸。俳優歌舞的・曲芸軽業的・幻術的要素からなる。令制では高麗楽(こまがく)のなかに散楽師がみえ,散楽戸も存在した。861年(貞観3)の東大寺大仏開眼供養会には薬師寺が散楽を担当しており,寺院での教習もうかがわれる。宮廷での散楽は舞楽化し,平安中期にはしだいに滑稽な物真似や雑芸が中心となる。これらは散更・猿楽などとも称された。宮廷での散楽は村上天皇によって禁じられたが,民間では専業の猿楽者が現れた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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