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更級日記(さらしなにっき)

平安時代の日記文学。菅原孝標(たかすえ)女の作。1059年(康平2)以降成立。中流貴族の家に生まれ,物語に憧れつづけた女の自伝。作者は13歳のとき父の任国上総国から上京した。その旅路の記録と以後約40年間の京都生活を,晩年夫の死後に回想したもの。歌が102首あり,歌集的な部分もある。光源氏のような男性との恋愛の夢も,宮仕えで出世するという願いもかなわず,平凡な結婚生活と経済的な安定を得た人生を後悔しつつ回想する。作者の人生が平凡であるがゆえに時代をこえて読者の共感をよぶ。定家自筆本(御物本)が唯一の証本。「日本古典文学全集」「新日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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