讃岐国(さぬきのくに)
佐貫国・狭貫国とも。南海道の国。現在の香川県。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では大内(おうち)・寒川・三木・山田・香川・阿野(あや)・鵜足(うたり)・那珂・多度・三野・刈田(かった)の11郡からなる。国府は阿野郡(現,坂出市),国分寺・国分尼寺も阿野郡(現,高松市国分寺町)におかれた。一宮は田村神社(現,高松市)。古くから開発が進み,「和名抄」所載田数も1万8647町余と多い。一方旱害に苦しみ,多くの溜池を造成した。「延喜式」では調は絹・塩・雑器,庸は米・韓櫃(からびつ)など。中男作物に黄蘗(きはだ)などがある。古代には讃岐氏などの明法(みょうぼう)家,空海・円珍らの高僧を輩出。鎌倉時代の守護は宝治合戦以後,北条氏が独占。室町時代の守護は細川氏。近世は高松藩・丸亀藩が成立,島嶼部は幕領とされた。産物として砂糖・塩・綿が讃岐三白として知られた。1871年(明治4)の廃藩置県により高松県・丸亀県が成立,以後いくどかの合併・分離ののち,88年香川県が成立。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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