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茶道(さどう)

茶の湯または数寄道(すきどう)のこと。茶頭(さどう)・茶堂(さどう)との混同を避けるために「ちゃどう」と読まれる。茶道の用語が使われるのは江戸中期以降。千利休の書簡のなかに茶の正しい姿を追求することを真道といい精神の重要性を強調するが,茶道の用語は使っていない。茶道の性格は多義にわたるが,茶室で亭主と相客が茶道具を用いて飲茶し,主客の精神的融和をはかることが根本。とくに精神性の理想郷を創造しようとして,宗教,なかでも禅宗の影響を多分にうける結果となった。この間に建築・造園・陶芸・書跡・工芸・料理などに広範な茶道独特の芸術性が追求された。歴史的には鎌倉時代以前は茶は薬用として用いられたが,南北朝期には闘茶(とうちゃ)が流行。室町時代になって茶の湯の遊芸化が強まり,村田珠光(じゅこう)・武野紹鴎(じょうおう)らによって侘茶(わびちゃ)が創始され,利休によって大成された。江戸時代には大名の遊芸として定着する一方,三千家(さんせんけ)によって庶民にも大いに浸透した。明治維新前後は影をひそめたが,明治20年代に新興の政財界人によって名物茶器の鑑賞と収集が流行し,一気に復活。昭和期には家元制の復活で急速に普及し今日に至る。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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