擦文文化(さつもんぶんか)
続縄文文化を継承し,東北北部から北海道に分布する紀元7世紀頃から13~14世紀までの600~700年間続いた文化。アイヌ文化へ続くといわれるが詳細は不明。この文化で作られた土器が擦文式土器で,土師器(はじき)・須恵器(すえき)をともなうことがある。住居は方形・隅丸方形の竪穴(たてあな)で,4本の柱と中央に炉,壁の1辺にカマドを設ける例が多い。擦文文化は,鉄製の刀・刀子(とうす)・鏃(やじり)・斧・鎌・鍬先などをもち,コメ・オオムギ・アワなどの穀物とソバ・アズキ・ウリ科などの植物を栽培し,川をさかのぼるサケ・マス漁とあわせた農耕社会を維持した。墓には北海道式古墳とよぶ高塚があり,副葬品は東北北部の終末期古墳と類似のものが出土することもあるが,多くの場合は不明。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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