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沙汰未練書(さたみれんしょ)

鎌倉幕府に関する訴訟手続や法律用語を平明に解説し,文例も載せた訴訟制度の手引書。鎌倉・六波羅(ろくはら)の沙汰(主として訴訟関係の実務)に慣れない人々を対象に,幕府の訴訟制度を包括的に解説した唯一のもの。1278年(弘安元)の北条時宗跋文があるが後世の仮託で,実際の成立年代は,将軍久明親王・得宗北条貞時の時代に原形が成立,高時政権の1319~22年(元応元~元亨2)の間に現在の形式が成立したとされる。伝本には,二階堂氏伝来本,それから分かれた伊勢氏伝来本,公家沙汰・訴訟文例の部分を大幅に抄録した略本の3種がある。「中世法制史料集」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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