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沙汰人(さたにん)

中世で「沙汰」とは政治・軍事上の処置・命令や判決などの執行にあたったり,年貢諸役などを取り立て荘務を遂行するなど,かなり広義に使用された語で,沙汰人とは沙汰を実際に執行する者の総称。追捕(ついぶ)の役人・奉行人など裁判担当者,中世寺院の役僧や集会の世話人,あるいは役所の職名など多様である。最も多くみられるのは荘園の沙汰人で,在荘して年貢・公事(くじ)の収納にあたったり,領主からの命令を現地で執行する下級荘官,またはこれに準ずる者をさす。後者には有力農民が多くついたことから,沙汰人は刀禰(とね)・乙名(おとな)などとともに,村落の自治的組織の代表者という側面をももった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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