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沙汰(さた)

執務すること,取り扱うこと。とくに訴訟・裁判・判決をさしていう。中世後期の式目注釈書はしばしば沙汰を「イサコヲユル(砂を選る)」ことと説明している。砂中から砂金を選び出すことで,理と非を弁別する意味であるという。訴訟・裁判をさす沙汰は多くの複合語の語素となり,所務沙汰・検断沙汰・雑務沙汰など裁判類型をさす語として使用された。また尋沙汰(たずねざた)・明沙汰(あきらめざた)など個々の手続きをさす語としても使用された。ほかに「日葡辞書」が沙汰を,話・うわさ・取調べとしているのをはじめ,政務を執ること,所職(しょしき)を知行すること,年貢を徴収または納付すること,弁済・弁償すること,議論し決定することなど,多様な意味に用いられた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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