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鎖国(さこく)

江戸幕府の孤立的な対外関係のあり方。幕府は1633年(寛永10)に始まるいわゆる鎖国令により,日本船の海外渡航の禁止,海外在住の日本人の帰国の禁止,貿易地の制限,ポルトガル人の追放を命じ,長崎でオランダ船・中国船との貿易のみを行う体制を築いた。この政策のおもな目的は,当時全国に広がっていたキリスト教の禁止と宣教師などの国内潜入防止にあり,39年以後は九州を中心とする沿海防備体制が形成された。ただし朝鮮とは府中(対馬)藩を介して国交を結んでおり,琉球も鹿児島藩の支配下にあったから,文字どおり国を閉ざしたわけではない。この点に注目して「海禁」という概念も用いられている。はじめ幕府には鎖国したとの認識はなかったが,19世紀初頭にロシアの貿易要求を拒絶した頃から鎖国が祖法であるという観念が成立し,幕府すら拘束する最重要の体制概念となった。1853年(嘉永6)アメリカ使節ペリーが来航し,その開国要求に屈して鎖国は終わった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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