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桜会(さくらかい)

昭和初期の陸軍革新派将校の結社。1930年(昭和5)9月に参謀本部ロシア班長橋本欣五郎中佐が設立。橋本はトルコ駐在武官のときに,ケマル・アタテュルクの軍事的独裁によるイスラム国教の廃止などの国内改革をみて帰国。当時の日本は大不況下で,農村の窮乏,多数の失業者,政党政治の無為腐敗に国民の不満は高まり,ロンドン海軍軍縮会議調印における文官優位,統帥権の危機を感じた橋本は,現状を打開する国家改造を目的として会を設立。会員は中佐以下の陸軍省・参謀本部に勤務する将校を主とした。会員数は100人前後。綱領で国家改造のためには武力の行使も辞せずと,「軍人勅諭」で禁じられた軍人の政治関与を公然と主張。国内改造運動と満蒙問題解決を同時進行させ,3月事件・満州事変・10月事件に関与した。10月事件で橋本ら13人が形式的処罰をうけて自然消滅した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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