左義長(さぎちょう)
小正月の火祭の一つで,平安時代にすでに15日または18日に陰陽師(おんみょうじ)が関与する宮廷行事としての記録がある。類似の行事はドンド・トンド・サイトウなど地方によって呼び方が異なり,九州では7日のオニビがこれにあたる。いずれも注連縄(しめなわ)や松飾などの正月飾や達磨・書初めなどを子供たちが集めて,道祖神の近くや神社の境内などで焼く。円錐形に積みあげて点火するが,その芯に3本の竹か木をくんで三脚状にしたのが左義長の語源ともいわれる。子供たちが集まって仮小屋として食事をともにしてから火をつけるところもあり,鳥追やカマクラなどとの関連がうかがえる。火にあたるとその年を健康に過ごせるとか,火で焼いた餅を食べると風邪をひかないなどという。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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