佐紀盾列古墳群(さきたてなみこふんぐん)
奈良盆地北辺の奈良市山陵町・佐紀町・歌姫町・法華寺町の丘陵地帯に分布する古墳前・中期の古墳群。東西2.5km,南北1.5kmの範囲に14基の前方後円墳と多数の中小古墳からなるが,大きく二つの群にわかれる。西群は五社神(ごさし)古墳・陵山(みささぎやま)古墳・石塚山古墳・瓢箪山(ひょうたんやま)古墳などを中心に,4世紀後半代~5世紀前半代に築造。東群のヒシャゲ古墳・コナベ古墳・ウワナベ古墳・市庭(いちにわ)古墳などは5世紀前半代~後半頃に築造され,古墳の築造が西群から東群に移動したことがわかる。陵山古墳を除いて,内容の明らかな大型前方後円墳はないが,大和政権の墓域の変遷を考えるうえで重要な古墳群。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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