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相良氏法度(さがらしはっと)

肥後国人吉(ひとよし)に拠った戦国大名相良氏の法度。為続(ためつぐ)・長毎(ながつね)2代の法度を収める「為続長毎両代之御法式」と,晴広(はるひろ)を加えた3代の法度を収める「御法度条々」の2種の写本が残る。前者も晴広による再確認をへたもの。領国を構成する八代・球磨(くま)・葦北(あしきた)の3郡には,国人の自生的な結合組織である郡中惣(ぐんちゅうそう)があった。相良氏の法は,郡中惣の自律的な掟制定を基盤としていたとする見方があり,本来は球磨郡を対象とした郡中惣掟あるいは一揆契状(いっきけいじょう)に近い性格のものを母体に,相良氏の承認をへて法度となったらしい。この見方によれば,一揆契状から分国法への発展過程の中間形態として位置づけられる。「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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