月代(さかやき)
「つきしろ」とも。月額(つきびたい)とも。男性の前額部から頭頂部にかけての髪を剃ったもの。起源は諸説あり,中世の貴族が冠や烏帽子(えぼし)をかぶるとき,額の髪がみえないように半月形にしたことから名づけられたとも,戦の際に逆気(さかいき)をぬき,兜(かぶと)のむれを防いだことからともいわれる。中世末からは露頂の風俗となり,毛抜や剃刀(かみそり)を用いて日常的に行われるようになると,月代剃りを職業とする髪結も登場した。江戸時代には庶民にも定着して成人のしるしとなり,1871年(明治4)の断髪令まで続いた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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