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酒屋(さかや)

酒造業者および酒を販売する者。酒屋は鎌倉・室町時代を通じて増加し,北野神社に属する座衆が酒麹の製造・販売の特権をもち,米の集散地である京都は酒造業の中心であった。地方の「田舎酒」として坂本・奈良・摂津西宮などで酒造が盛んとなった。酒造業は多額の資本を要するため高利貸を兼ねるものが多く,室町幕府はこれに酒屋役・倉役とよぶ多額の営業税を課し,幕府の主要財源とした。江戸時代に入ると伊丹・池田・灘などで大規模酒造業が出現,彼らもまた高利貸を兼ねることが多かった。幕府はこれら酒造業者を酒株によって課税・統制した。明治期に入り政府は酒造税を大幅に上げたが,これに対して全国酒造業者は1882年(明治15)酒屋会議を開いて抗議した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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