敵の襲撃に備えて,鹿の角のようになった茨の枝などを逆立てて地に差したり,垣に結ったりした防御具。「さかもがり」の略という。臨時築城の際の要素の一つで,治承・寿永の内乱期頃から現れ,中世を通じて使用された。施設としては単純なものであり,自軍の攻撃の際には容易にとり除くことができ,また一時的ではあるが,敵の進行を遮断することもでき,自陣に攻撃の余裕をつくった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう
この記事が気に入ったらいいね!しよう