堺版(さかいばん)
南北朝期~織豊期に和泉国堺で出版された刊本の総称。古くは1364年(貞治3・正平19)道祐居士(どうゆうこじ)が中国魏の何晏(かあん)撰「論語集解(しっかい)」10巻を刊行し「正平版論語」とよばれた。1528年(享禄元)には阿佐井野宗瑞(あさいのそうずい)が「医書大全」を刊行,日本最初の医書出版となった。また阿佐井野家は,明経(みょうぎょう)博士家の清原宣賢(のぶかた)の跋文(ばつぶん)を付して,33年(天文2)に無注の「論語」(「天文版論語」)を刊行。堺南荘在住の普門院宗仲論師も1528年「韻鏡(いんきょう)」を出版し,その後「大日本国帝系紀年古今一覧之図」の一枚摺を刊行。さらに,堺南荘石屋町の経師屋石部了冊は,74年(天正2)「四体千文書法」を復刻,90年「節用集」を刊行。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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