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サイパン島の戦(サイパンとうのたたかい)

太平洋戦争中の1944年(昭和19),米軍の強襲上陸に始まる日米のサイパン島の争奪戦。アメリカは日本本土への爆撃基地を入手するため,6月15日空襲と艦砲射撃のあと同島南部の西海岸に海兵2個師団を基幹とする兵力を上陸させた。マリアナ沖海戦で制空海権を失った日本は,陸海軍4万余の兵力で水際陣地を作り守備したが,陣地が損害をうけたため夜間の逆襲に転じ,これが早期に戦力を消耗させた。18日に飛行場を,24日には島中央の最高峰を奪われ,7月7日に玉砕戦法を敢行した。1万人近い在留邦人も戦死や自決,最北端のマッピ岬から投身するなど,悲惨をきわめた。東条内閣は同島の陥落を契機に退陣した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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