財閥(ざいばつ)
明治中期以降,出身地を同じくする資本家が協力して株式投資をし会社を支配する場合,甲州財閥などのようにそのグループを財閥とよび,明治末~昭和前期には三井・三菱など個々の富豪の経営体を財閥とよぶようになった。これらはジャーナリズム用語で,第2次大戦後の学術用語では,(1)同族が封鎖的に所有する,(2)多角的事業経営体で,(3)各事業がそれぞれの産業で寡占的な地位を占めるもの,と定義するのが一般的である。経営史学では(3)を含めない見解も有力。(1)~(3)を厳格に適用すると三井・三菱・住友のみとなるが,安田・古河など多角化が不十分なもの,新興財閥の日産など封鎖的でないものを含めることもある。第2次大戦後の財閥解体によって解散した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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