在日朝鮮人・韓国人(ざいにちちょうせんじん・かんこくじん)
1910年(明治43)以降の日本の朝鮮半島支配の歴史のなかで,土地喪失,日本の工業地帯の好況,戦時下の強制連行など,さまざまな理由で来日し,第2次大戦後の混乱で帰国できなかったり,自己の意志で帰国しなかった朝鮮人・韓国人およびその子孫。大戦終結時点の在日朝鮮人は約230万人であったが,その大部分はGHQの方針に従って早期に帰国し,47年(昭和22)の外国人登録時には約64万人に減少した。在日朝鮮人は戦前・戦中期には帝国臣民として参政権をもっていたが,戦後は参政権はなくなり,外国人としての登録を義務づけられた。法務省は52年に在日朝鮮人・韓国人の日本国籍喪失を宣言し,その結果戦時補償に関する一連の援護立法は適用されず,公務員の国籍条項による就職上の差別も続いた。近年,法規上は公務員の国籍条項などは順次はずされ,社会保障に関しても国民健康保険・国民年金・児童手当等が適用されて一定の改善がみられるものの,実態としての差別はなお残っている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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