済南事件(さいなんじけん)
1928年(昭和3)中国山東省で北伐途上の国民革命軍と日本軍が軍事衝突して日本軍が済南を占領した事件。北伐の進展にともない,28年4月,田中義一内閣は居留民保護のため済南と膠済(こうさい)線沿線に派兵した(第2次山東出兵)。国民革命軍が日本軍の撤収を要求したこともあり,5月3日,小衝突をきっかけに両軍の交戦が始まった。日本側は,関係者の処罰や中国軍の武装解除要求が入れられないとわかると,内地から1個師団を増派し,8日総攻撃を開始,11日までに済南中心部を占領(第3次山東出兵),中国側の死傷者は5000人に達した。翌年3月28日の外交交渉による解決で5月に日本軍は全面撤退した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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