西国立志編(さいごくりっしへん)
中村正直の訳書。1870~71年(明治3~4)刊。13編11冊。S.スマイルズの「自助論」(1859刊)の全訳。底本は幕府のイギリス留学生取締だった中村が,帰国時にイギリスの友人から贈られた67年改訂版。小伝記を集成して「天ハ自ラ助クルモノヲ助ク」という市民社会の道徳を説いた本書は,明治初期の青少年に多大な影響力をもち,「西洋事情」後の必読の書となったが,しばしば立身出世の文脈で読まれた。漢語への重訳がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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