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歳遣船(さいけんせん)

歳船とも。室町~江戸時代,朝鮮へ派遣した日本船(送使船)のうち年間の派遣船数が定められたもの。送使船には,朝鮮から過海料や留浦料が支給され,貿易が許されたためその数が増加。応接経費の増大により,朝鮮は通交者ごとに歳遣船定約を結び,年間の派遣船数を限定した。1424年(応永31)九州探題渋川義俊が毎年2隻ずつの派遣を朝鮮に提案したのが始まりで,最初の記録は40年(永享12)小早川持平(もちひら)が毎年1隻の派遣を認められたもの。43年(嘉吉3)の癸亥(きがい)約条で対馬島主宗氏は50隻とされた。以後宗氏の一族は7隻・4隻・3隻など,他の諸氏は1隻または1~2隻などに定められた。70年代にはすべての歳遣船定約者は受図書人(じゅとしょにん)になる。三浦(さんぽ)の乱後,宗氏の歳遣船は1512年(永正9)の壬申(じんしん)約条と47年(天文16)の丁未(ていび)約条で25隻,57年(弘治3)の丁巳(ていし)約条で30隻に決定。文禄・慶長の役後,1609年(慶長14)の己酉(きゆう)約条で宗氏の歳遣船は20隻に制限された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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