西海道(さいかいどう)
(1)古代の七道の一つ。現在の九州地方にあたり,筑前・筑後・豊前・豊後・肥前・肥後・大隅・薩摩・日向の各国と壱岐・対馬・多禰(たね)の各島(国に準ずる)が所属する行政区分。筑前国におかれた大宰府が,朝廷からの出先機関としてこれら9国3島を統轄した。(2)これらの諸国・諸島を結ぶ交通路も西海道と称し,大宰府を中心に陸路が官道として,また諸島との間の海路が整備された。駅路としては,畿内から大宰府に至る途上の区間が大路のほかは小路の扱いで,「延喜式」では総計97駅に605頭の駅馬をおく規定であった。732年(天平4)に西海道節度使,746年に山陽・西海両道鎮撫使(ちんぶし),761~764年(天平宝字5~8)に西海道節度使を設置した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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