座(ざ)

中世,商人・職人・芸能民らが結成した同業者組織。平安後期に出現し,中世を通じて存在した。起源は荘園公領制成立期に供御人(くごにん)・神人(じにん)・寄人(よりうど)などの称号を獲得して朝廷や寺社の保護下に入った職能民の組織にあるとみられる。1092年(寛治6)頃山門青蓮院を本所とする山城の八瀬(やせ)座が初見。座には兄部(このこうべ)・座頭などとよばれる指導者が存在し,入座に制限を設けるなど対外的にはきびしい閉鎖性を示したが,構成員相互の関係は概して平等であった。貴族や寺社を本所とし,一定の奉仕や貢納の代償として課税の免除や営業独占権を認められたが,戦国期に入ると特定の本所をもたない,近世の仲間に似た自立的なものも出現した。独占権をもつ座の存在は価格の高騰や流通の停滞を招いたため,豊臣政権によって多くが撤廃された。京都の三条釜座など江戸時代まで続いたものもある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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