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千歯扱(せんばこき)

千把扱とも。稲や大麦の脱穀用具。台木に竹や鉄の歯が20本ほど並べてとりつけられ,歯の間に稲穂や麦穂をはさんで籾をしごきとる。元禄年間に考案されたが,はじめは竹歯の麦用だった。享保年間に鉄の歯の千歯扱が普及し,扱箸(こきばし)にくらべて脱穀の能率ははるかにあがり,寡婦の仕事を奪う結果となったので後家倒(ごけだお)しともいった。生産地としては,現在の大阪府堺市・鳥取県倉吉市・福井県美浜町早瀬・広島県尾道市・島根県雲南市木次(きすき)町などが知られる。大正初期に足踏脱穀機が普及し,しだいに衰退した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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