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政商(せいしょう)

明治前期に,資本主義形成の担い手となることで特権を与えられ,資本を蓄積した実業家。江戸時代以来の豪商三井はさまざまな貨幣取扱業務を委託され,三井銀行(1876設立)は多額の官公預金の運用で成長し,三井物産(同年設立)は政府米・官営三池炭鉱石炭の輸出を担当した。高知藩事業とのかかわりで海運業に乗りだした岩崎弥太郎は,台湾出兵を機に政府の保護をうけ,郵便汽船三菱会社(1875設立)を組織し,外国汽船に対抗しつつ上海・沿岸航路を整備した。その他政商と目されるものに,安田善次郎・大倉喜八郎・藤田伝三郎・川崎正蔵・浅野総一郎らがある。政商の多くは明治中期以降,産業基盤をもつ財閥に成長していった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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