神話(しんわ)
一般に,神々についての物語。ヨーロッパの神話研究を通じてもたらされた概念で,ふつう伝説・昔話との対比によって把握される。神話(myth)が原古の神聖な真実として社会や事物を基礎づけ説明するものであるのに対し,伝説(legend)はやはり真実と認識されるものであるが,世界が完成した後の歴史的な回想を語る。一方,昔話(tale)はもはや真実とは考えられないものである。昔話は場所・時間・人物を特定しないが,神話・伝説はそれらを特定する。この相違は話に対する信頼性の強弱に由来する。ただ,そうした区別は絶対的なものではなく,神話と伝説とに区別のない民族もあり,同一の話が神話・昔話の間で転用されることもある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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