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神仏習合(しんぶつしゅうごう)

仏教思想と神祇思想の融合のなかで提唱された宗教思想。本来は別な宗教である仏教と神道の一体化をはかったもので,奈良時代頃に出現した神宮寺にその起源をみることができる。越前国気比(けひ)神宮寺や若狭国若狭彦神宮寺が代表例であり,平安時代にかけて全国的な広まりをみせた。平安時代になると,仏が仮に神の姿で現れて功徳(くどく)を示すとする本地垂迹(すいじゃく)説が唱えられ,習合神道や仏教を中心にこの思想が展開され,祇園信仰や八幡信仰などの僧による神祇信仰も一般化した。これに対し,鎌倉時代以降は神道側から神を主とする神本仏迹説や種々の神道説が提唱された。習合思想は近世まで継承されたが,明治初年の神仏分離政策で制度的には終焉をむかえた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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