神道五部書(しんとうごぶしょ)
伊勢神道の根本教典とされる5書。いずれも鎌倉初~中期の成立と推定される。「天照坐(あまてらします)伊勢二所皇太神宮御鎮座次第記」は,両宮の鎮座の次第と別宮や相殿神について記述する。「伊勢二所皇太神御鎮座伝記」は猿田彦(さるたひこ)神の託宣や神鏡の祭祀を記す。「豊受(とゆけ)皇太神御鎮座本紀」は古代の大神主飛鳥の撰に仮託されており,外宮の歴史や祭祀をのべる。「造伊勢二所太神宮宝基本紀」は両宮の殿舎の解説を加えている。「倭姫(やまとひめ)命世紀」は禰宜(ねぎ)五月麻呂に仮託して,大御神の遷幸や倭姫命の奉仕を記述する。度会(出口)延佳(わたらいのぶよし)がこれらの5書を重んじて以来,高く評価された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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