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新猿楽記(しんさるがくき)

往来物の一つ。1巻。11世紀半ばの藤原明衡(あきひら)の著とされてきたが,近年は11世紀末,白河院政期頃の一貴族の手になるとの説が有力。猿楽を見物する西京の右衛門尉一家に託して,当時の下級官人・職人・庶民らの多様な職業・職能について物尽し風に描く。猿楽・双六(すごろく)・武者・馬借(ばしゃく)・工匠・陰陽師(おんみょうじ)・遊女・修験者・仏師・商人・舞人などについての具体的な記述は,当時の社会各層を理解するための格好の素材である。「日本思想大系」「東洋文庫」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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